子育て研究所

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Lesson 7-4 子供の権利(決定権)

 子供と大人は対等であるべきだというお話は納得いただけたでしょうか。まだ、納得いただけていない人も多いかと思います。(そこが一番大きなハードルだと思いますので、気にしないでください。納得できない思いを抱えながらも、そのハードルを乗り越えて、ここまで読んでくださっていることの方がよっぽど素晴らしいことだと思いますから。) もし、子供も対等だということを認めるのなら、子供にも大人と同じ、決定権、選択権があるとはずです。つまり、自分の意思を決める権利、決定する権利があると考えるのです。

 [ 事例 ]
 小学校3年生のさちほちゃんは、ずっと前から欲しいと思っていたおもちゃがありました。3ヶ月前から少しずつお小遣いを残しておいて、やっと買ってきました。それを見たお母さんは、「ちほちゃん、なんてもったいないことをするの。前も似たような物を買ってすぐ飽きたじゃない。無駄遣いするんだったら、お母さんもうお小遣いあげませんよ!」と言うと、さちほちゃんは、「ママ、私のお小遣いなんだから、何を買おうと私の勝手でしょ!」と言い返しました。

 子供が成長してくると、このように言うことがあります。「お母さんには関係ないことでしょ!」と。
 あなたはどう思いますか? お母さんの無駄遣いして欲しくないという気持ちもわかります。しかし、それが無駄かどうかは、親が判断することではありません。だって、それはさちほちゃんの問題だからです。多くの親は、子供の権利にまで干渉しすぎのようです。いったんあげたお小遣いは、さちほちゃんがどう使おうとさちほちゃんの問題です。お母さんの干渉は、子供と対等な関係ではないということはおわかりだと思います。
 日常でも、子供に対してガミガミいうことを思い出してください。本来は子供の問題なのに、親が干渉しすぎていることが非常に多いのではないでしょうか。今後はガミガミ言いたくなったら、その前に、ちょっと立ち止まって、この問題は誰の問題かということを考えてみてください。誰の問題かということを明確にするというのが、ひとつのポイントになります。

 子供の問題に、口を出すことのデメリットについて、考えてみましょう。
(1)自立の芽を摘む行為になりかねない
 子供は親が手伝ってくれたから、課題を解決できたと思うでしょう。つまり、あなたはまだ親の助けがないと問題解決できないというメッセージともなり、自分ではまだ解決する力がないんだという認識を強くするかもしれません。

(2)依存的になる
 大人が代わりに、子供の問題を解決してあげていると、子供は親や教師に依存するようになります。例えば、子供の部屋の片付けや子供の時間割といった、本来子供の仕事を親が肩代わりしていると、依存的に育つ危険性は高いと思われます。いわゆるマザコンなんかもこうしてできあがるのです。

(3)反抗的になる
 親や教師の干渉を極度に嫌うようになりやすいです。上記のさちほちゃんの例のように、「関係ないでしょ!」と言うようになります。確かに関係ないのですが、たいてい親はそれを認めません。話をそらして、「お前のためだ!」なんて、やっちゃいます。それは、子供の課題を無視していることにもなりますし、過干渉をするわけですから、子供が反抗的になるのも当然かもしれません。

(4)失敗を人のせいにするようになる
 自分の問題を他人が解決してくれることに慣れてくると、失敗したのは、助けてくれなかったからだとか、適切な援助がなかったからだというように、自分のことを棚に上げて、人のせいにするようになります。

(5)親が忙しいままである
 親や教師の手がかかるばかりで、子供の問題解決能力は育ちません。

(6)失敗する権利を奪うことになる
 失敗する権利という言葉が適切かどうかわかりませんが、子供に限らず人間は誰しも、失敗から多くのことを学ぶのです。特に、子供の頃の失敗は貴重な栄養源になります。子供を失敗しないように育てることは不可能です。一生のうちに一度も失敗しない人がいるでしょうか。そんな不可能なことを目標に、子育てをしてはいけません。失敗しないことよりも、失敗しても立ち上がれる子供を育てることが重要だと思います。

 以上のように、デメリットがたくさん出てきましたね。ここまで極端に言うと、「子供の権利を主張するのは結構だが、何でも子供の自由にするのは、教育、しつけを放棄することではないですか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。そうです。このままの対応では、教育を放棄することにもなりかねません。このページを読んだ方は必ず、次のページもお読みください。このページのやり方だけですと、不充分なのです。