子育て研究所

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Lesson 8-4 ルールについてのまとめ

 今までの話で、もしかしたら、私がルールに対してよく思っていないという印象を与えたかもしれません。そうではないのです。人が人に従うというのは、ある意味とても恐ろしいことです。過去の歴史を思い出してください。リーダーが善人ならば問題はありませんが、リーダーが悪人だった場合が最悪です。私たちは歴史からそれを学びました。ですから、民主主義では、人に従うという道よりも、法に従うという道を選んだのです。学校は民主主義を教えるところですが、実際は教えていないか、教えていても間違った民主主義を教えています。家庭も同じです。

 民主的なルールというものについて、さらに考えてみましょう。最初に、血の通ったルールの条件を考えてみましょう。
 まず、内容が合理的でなければなりません。最近はかなり少なくなったようですが、服装に関しての校則では合理的な説明ができないものが多いようです。多くは教師の価値観を子供に押しつけるものです。それで、多様な価値観を認めましょうと教えているのですから不思議です。でも、最近はだいぶ少なくなりましたね。教師の側に、権力闘争の土俵から降りた方が得だという認識が広まったからでしょうか。
 次に、そのルールが決定される手続きが民主的であるかということも重要です。「今日から我が家の門限は7時とする」と、父親が勝手に決めても、父親独裁の家庭以外では、そのルールはルールとして認められません。民主的な手続きを経て決定されたルールが血の通ったルールと言えるでしょう。できれば、決定に自分が参加するのが望ましいのですが、そうでなければ、既存のルールにメンバー全員が同意をすることが必要でしょう。校則は守られにくくても、クラスみんなで決めたきまりというものはよく守られるものです。
 さらに、平等に適用されることも必要です。自由、権利のところで、自分が自由や権利を主張するならば、他の人にも同様の権利を認めてあげなければならないということをいいました。ルールも同様ですね。子供から、「お母さんだけずるい!」なんて言われていませんか? 子供に、「お母さんはいいのよ!」と言っていませんか。では、「お酒やたばこは?」と尋ねる人がいますが、それは20歳以上の人に平等に認められるものです。車の運転にしても、誰でも自由に運転していいという国があったら、その国に住みたいですか? それよりも、試験に合格し、有効な運転免許証を持っている人なら誰でも運転できるという方がいいですよね。それも、試験に合格すればいいのですから、平等に適用していることになります。運転免許がない国には危なくて住めないと同様に、子育てを免許もない人が産み、育てるも怖い気がします。でも、免許を持っている先生方を見ると、あっても当てにならないような気も....。まあ、それは置いておきましょう。

 話が変わりますが、夫婦仲が悪いということは、子育てには致命的なことです。「夫婦仲が悪い人は、こんなホームページを読む暇があったら、夫婦仲を良くしてください」と言ってもいいほど、重要なことです。子供にとって最もつらいことは、お父さんとお母さんが仲が悪いことです。それに比べたら、子供に対する少々の体罰なんて、大したことはありません。信じられなければ、子供に聞いてみてください。どちらがよりつらいことか。
 では、夫婦仲が悪い家庭はどうしたらいいかというと、簡単に文章では説明できません。メールでご相談ください。メールでのカウンセリングをいたします。だだ、ルールという観点から申し上げますと、次のようなことが言えます。夫婦間がうまくいっていない場合は、夫婦の間に悪いルールが存在するか、良いルールが存在しないかのどちらかです。これはクラスに関しても同じです。先生は、自分のクラスに、良いルールが存在しているか、悪いルールが存在していないかチェックしてみてください。

 こういいますと、私たち夫婦は仲がいいのかと気になる人もいるでしょうか。のろけるわけではありませんが、夫婦仲はたいへんいいですよ。そうというと、「夫婦の間にどんな良いルールがあるのですか? ぜひ教えてください」と尋ねたくなりますよね。でも、明文化(はっきりと文章化)されたルールはありません。今までの私の話で、ルールというものは全て明文化されたものといった印象を与えてしまったかもしれませんが、そうではありません。イギリスには明文化された憲法が存在しないことをご存知の方も多いと思います。明文化されていなくても、お互いがルールとかマナーのように思っていれば、それは私が言う意味のルールです。ですから、私たちの夫婦間には明文化されたルールはありません。時々私の妻は天才ではないかと思うのですが、私はここで述べたようなルールに関して、妻に講義したことは一度もありません。しかし、妻は非常によく理解しているのです。明文化しなくても、私がそのように行動するので、自然と妻もそのようにするのだろうと思います。ということは、あなたがお子さんに対する態度を改めるならば、自然とお子さんも変わってくる可能性も充分あるということではないでしょうか。
 例えば、私は夫婦間は対等だと言いました。夫婦間が対等だということは、勝手に命令はできないということです。できるのはお願いだけです。言葉上は、「~して」と命令っぽく言うことも時にはありますが、お互いに、それは命令の意味ではないことを知っています。ですから、言われても腹も立たないし、相手に断る権利があることも知っています。断る権利がなければ、それは命令ですからね。断られても、相手に断る権利があることを知っているから、腹も立ちませんし、OKしてくれれば、「ありがとう」と感謝をします。お願いですから、普通は、「~してくれる?」という言い方をしますし、時々わざと愛情のこもった声で、「~しろ」ということもあります。お互いがそれを認識していれば、問題はないと思います。
 このホームページで学んだいくつかのことを実行するだけで、夫婦仲は飛躍的に良くなるはずです。そのためには、あなたが先に変わらなければならないことは言うまでもありません。
 夫婦仲が良いところは明文化されたルールが無くてもいいのですが、既に悪くなっているところは、ルールを明文化することをお薦めします。お互いが一方的に損にならないように、ルールを決めてみてください。最もいいのは、腕の良いカウンセラーに間に入ってもらうことです。弁護士に入ってもらうのは離婚の時です。

 最後に、繰り返しにもなりますが、ルールについてぜひご理解いただきたいことを付け加えておきます。ルールは人の幸福のために存在するのであって、ルールのために人が存在するのではないということです。ルールを破れというつもりはありませんが、人を不幸にするルールは、ルールの方が間違っているのであって、その間違ったルールに人間が合わせることはありません。ルールが悪いと分かったら、勝手に破るのではなく、民主的な手続きを経て、ルールを変えていくことが必要だと思います。