子育て研究所

躾(しつけ)、教育、育児に悩む親や教師のための学習サイト - 新しい子育て法を提案します

Lesson 9-3 パターン別の困った行動への対処法

 それでは、困った行動への対処法をパターン別に見てみましょう。

(1)その行動が困った行動であるということを知らない場合
 その行動が適切でないということを伝えて、代わりにどうすればいいかを提案します。
 悪いと知っている場合ならまだしも、知らないのですから、決して叱る必要はありません。

(2)その行動が良くないのは知っているが、代わりにどうすれば目的が達成できるのかを知らない場合
 この場合も、代わりにどうすればいいかを提案します。
 夫が上司に叱られて、むしゃくしゃして妻に不満をぶつけ、妻はそのイライラを「早く宿題をすませなさい!」と子供にぶつけ、子供は猫にあたり、猫は腹を立てて、畳を掻き毟る(かきむしる)としたら、最初から夫が畳を掻き毟ればすむことです。私たちは解決にもならないことで、貴重な労力を使っていることがあります。この行動が本当に問題解決につながるのかを冷静に考えてみることも大切です。この場合の夫は、汚名挽回を期して頑張るなり、ミスの再発防止の対策をとるというのが、適切な問題解決方法です。(もちろん、畳を掻き毟ってもいいですよ。ただし、自分が起こした結果は自分が引き受けなければなりませんので、後で直しておくのがよいでしょう。-既習事項ですよ-)
 こういうと、「私にできるかしら」とたいへん不安がる親や教師がいます。親も教師も向上心は必要ですが、完璧でなくてもいいと申しました。わからなければ、子供と一緒に考えればいいことです。むしろ、その方が子供の問題解決能力が高まるでしょう。子供が考えてもわからない時に、親や教師が適切な助言を与えられると最も良いでしょう。そのためには、これからも勉強してくださいね。

(3)その行動が良くないことは知っていて、本来はどうすればいいかも知っているが、そうしても目的が達成できないと考えている場合
 自信を失っている場合に、このパターンになるでしょう。どうせ、一生懸命勉強しても、良い点なんて取れるはずがないと思っているかもしれません。「おもちゃを貸して」と言っても、僕にはきっと貸してくれないんだと考えて、力ずくでおもちゃを取ろうとするのかもしれません。
 そういった子供に対しては、根気強く、自己受容感や他者への信頼感を育てる方向への援助が必要になってくると思います。

(4)その困った行動で、親や教師や社会の関心を引くことが無意識的な目標になっている場合
 これは子供にはよく見られるパターンです。基本的な考え方を言いますと、まず、その困った行動には一切注目しないということです。気を引くことが目的ならば、それでは気を引けないと思えば、その行動はそう長く続くものではありません。しかし、それだけでは不充分です。そういった困った行動をしていない時にこそ、充分に注目をしてあげることです。それを怠ると、また、困った行動で関心を引こうとするはずです。
 病気になってからの医学よりも、予防医学の方が効率的であるように、困った行動が出ていないうちから、適切な行動や中性の行動に対して、充分に関心を持ってあげることが重要だと思います。

(5)目的自体が間違いである場合
 人は誰でも自分の人生を選ぶ権利がありますので、こちらの価値観を押し付けるわけにはいきません。しかし、意見として提案することは可能です。目的自体が間違いだと思った場合は、金八先生ばりに、人生について、とうとうと語るのもいいかもしれません。そういうのは、父親の方が得意かもしれませんね。夫婦で育児を協力するということはそういうことかもしれません。

 このページで、皆さんに最も覚えておいていただきたいのが、(4)の「その困った行動には一切注目しない」ということです。この意外な対処法で解決できることが非常に多いのです。もちろん、それと同時に行うことも忘れないでください。これがこのホームページでの子育て法が無理なく行えるということを裏付けていると、私は感じています。