子育て研究所

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Lesson 3-3 子供を尊敬しましょう

 「子供を尊敬しましょう」というタイトルですが、あなたは子供を尊敬していますか? あなたの子供も、他の子供も、もちろん大人も尊敬しましょうということをこれからお話いたします。おわかりだと思いますが、子供を尊敬することと甘やかすことは全く別のことです。尊敬と甘やかしは両立しません。甘やかしというのを前に説明しましたが、その時、私はどのように説明したか覚えていますか? 目覚まし時計の事例の時に、「本来子供の責任であり、子供にそれを解決する能力があるのに、それを親が肩代わりすることを「甘やかし」と呼んでいます」と表現しました。「どうせ、この子にはできっこない」、「この子は私が毎朝起こしてやらないと起きられない」というのは、子供を尊敬している状態ではないと思いますが、いかがでしょうか。
 このあたりまでお話ししますと、よく尋ねられることがあります。「大人と子供が対等だという所までは、賛成できないこともないが、大人が子供を尊敬するというのはどうも抵抗がある。子供が親を尊敬するのが当然ではないか」と。しかし、私は「子供は親を尊敬しなくていい」とはひとことも言っていません。親は子を尊敬し、子は親を尊敬するという相互尊敬が望ましいと主張したいのです。確かに、対等の関係が良いのならば、お互いに軽蔑しあっても、対等だといえるかもしれませんが、それが理想的ではないことは説明するまでもありません。お互いに尊敬しあう関係が理想的だと思いませんか? もちろん、夫が妻を尊敬し、妻が夫を尊敬する関係も素敵ですし、上司と部下が尊敬しあい、信頼しあう関係も素晴らしいと思います。あなたが周囲の人全てと尊敬しあい、信頼しあえたら素敵だと思いませんか。それを目指していきましょう。「尊敬」ということを学んでから、人間関係、特に夫婦関係がとても良くなったということをしばしば聞き、私自身とても嬉しく思うことがあります。前にも申し上げましたが、子育てには私たちの人生の多くが集約されています。子育てを学んで、まず自分が変わり、それに伴い子供が変わるだけでなく、周囲も変わるという現象はしばしば起きます。子育てを勉強して、子育ての悩みは減ったが、人間関係の悩みは全く減らないとしたら、失礼ながらその子育て法は単なる子供をコントロールする技術に過ぎないのかもしれませんよ。あなたがこのホームページを学んで、実践を続けていくのなら、必ずや他の人間関係もより円滑にいくようになります。それを信じて、一緒に進んで行きましょうね。

 お伝えしたいことが多く、つい話が逸れる事が多く、読んでいくのに苦労されるかと思いますが、お許しください。全部の文章を書き終えた暁には、再度構成を考え、より伝わりやすいものにしたいと思います。話を戻しましょう。相互尊敬の話でしたね。
 親が子供を尊敬し、子供も親を尊敬する。教師が生徒を尊敬し、生徒も教師を尊敬する。それが相互尊敬です。では、それはどのように実現するかと言いますと、「さあ、これから互いに尊敬しあいますよ。せーのっ」で、互いに尊敬するのではないのです。もちろん、「おい、これから相互に尊敬しあうことにした。君は生徒なんだから、君の方から先に先生を尊敬しなさい。そうしたら、先生も君を尊敬しよう」でないのもお分かりでしょう。まず、あなたが子供を尊敬し、生徒を尊敬するのです。同様に、夫を尊敬し、姑を尊敬するのです。先にするのは、損だから嫌ですか? 残念ながら、そういった人はこれから先を読み進めても難しいと思いますよ。だって、最初に言ったでしょう。まず、あなたが変わらなければならないって。
 あなたの方から先でないといけない理由を申し上げましょう。子供に「尊敬しなさい、敬いなさい」と言っても、自分が尊敬されたことがなければ、どのようにして尊敬すればいいのかわからないと思いませんか? 子供は愛されることによって、人を愛することを学んでいくように、尊敬も同じ事です。尊敬されることによって、人を尊敬することを学んでいくのです。「でも、昔の子育てでも、子供は親を尊敬していましたよ」とあなたはおっしゃるかもしれません。昔の子育てが決して悪いとは言いませんが、私に言わせれば、それは形だけの尊敬だと思います。妻が夫を尊敬する姿、妻が舅や姑を尊敬している姿を見ているから、形だけは真似することができるのです。しかし、それは多くの場合、相互尊敬ではありません。ですから、その子供が親になった時も、子供に尊敬させることはできても、尊敬することは難しいのではないでしょうか。それに、昔は妻が夫を尊敬している姿が何処の家庭でも見られましたが、今、そんな家庭ってあります? 夫を粗大ゴミのように扱っておいて、いったいどこで子供は尊敬を学ぶ機会があるのでしょうか。そういったお母さんの姿を見て、子供も友達や兄弟姉妹をそのように扱うのではないでしょうか。「そんなこと、教えてないでしょ!」と叱っても、ちゃんと教えてますって。子供に手本を見せることは教えるということです。
 昔の時代の尊敬に話を戻しましょう。その時代の尊敬というのは、恐らく私がイメージしている尊敬とは少し違うと思います。その尊敬というのは、「親だから尊敬する」、「教師だから尊敬する」、「お金持ちだから尊敬する」、「社会的地位が高いから」、「勉強ができるから」、「スポーツが得意だから」というような、条件つきの尊敬ではないですか? 子供に対しても、どうですか? 条件つきで尊敬しますか? 前の章で「叱ること」について分析しました。また、後の章で「ほめる」ことについても分析しますが、多くの親や教師が、条件つきで「良い子」とほめます。条件をつけずに、子供を愛し、尊敬するということを、このホームページを通して、少しずつ身につけていただけると幸いです。
 もし、子供を尊敬するというのが感覚的にわからない場合は、次のように考えてみてはいかがでしょうか。まず、自分が弱い権威を想像します。身分の高い人は無条件に尊敬してしまうという人は、このお子様は実は天皇家のお子様なのだと思うようにします。また、高学歴の人を無条件に尊敬してしまう人は、この子は実はIQ(知能指数)180の大天才と言われている子供だと思うようにするのです。これで少しは尊敬に近づくことができるかもしれません。(私の話しをよくご理解の方は、これは本当の尊敬ではないことはおわかりでしょうが....。)

 このホームページで学ぶことは、他の子育て本とは一味違うと思います。それは、どちらが優れていて、どちらが劣っているという問題ではないのですが、他の子育て本の内容の多くは、「もっとスキンシップをしましょう」とか「早く、早くという言葉を減らしましょう」とか、今までのあなたの子育て法の量に対して助言を与えるものだったと思います。しかし、このホームページで提案するのは、量の面ではなく、質の面での提案が多いのです。ですから、より難解だと思います。でも、あなたは新しい次元の子育ての入り口に立っているのかもしれませんよ。