子育て研究所

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Lesson 3-5 事例研究

 難しい話が続いたので、休憩を兼ねていくつかの事例を見てみましょう。

 今日はさよちゃんの誕生日です。さよちゃんはお母さんと洋服を買いに行きました。「さよちゃん、好きな服を選んでね」と優しいお母さん。さよちゃんは服を選び始めました。さよちゃんが選んだのは、真っ赤な服でした。「ママ、これにする」とさよちゃん。しかし、お母さんはそれを見て、「さよちゃん、その服は派手すぎて、どこにも着て行けないわ。こっちにしなさい。」と別の服を薦めます。「でも、ママ、私はこれがいいの。」とさよちゃん。そういったさよちゃんの言葉を押し切って、結局お母さんは自分の思う服をさよちゃんに買い与えました。

 こういったことは良くあることだと思います。お母さんは、さよちゃんとの約束を破っていますね。この場合、さよちゃんとお母さんの関係は対等な関係でしょうか。対等な関係ではありませんね。お母さんは、さよちゃん自身に与えた決定権を無視しています。それならば、最初から「好きな服を選んでね」とは言うべきではなかったのです。子供の意思決定権を認めるというのも子供と対等な関係を築き、子供を尊敬するということにおいては、重要なことになります。もちろん、子供を甘やかせればいいという意味ではありませんよ。
 では、最初から好きな服を選んでと言わずに、親が決めてしまわないといけないか、子供が選ぶ服を苦々しく思いながらも、認めてあげないといけないのか思うかもしれませんが、何もそうしなくてもいいのです。例えば、お母さんがこの服なら大丈夫と思う服をあらかじめいくつか選んでおいて、その中から子供に選ばせれば、問題ないでしょう。

 さて、次の事例は、ある方が主催の子育て勉強会に、受講生として参加させていただいた後の、和気藹々としたフリートークの中から出てきた話題です。

 「最近の成人式はひどいねぇ。若い人のマナーの悪さといったら、私たちでは考えられないわ」
 「会場に入っても、講演者の話は聴かず、ぺちゃくちゃおしゃべりをしたり、携帯電話で話をしたりしてねぇ」
 「そうねぇ。うちの子もそうならないように気をつけないとね」
 「何も言えない市長もいれば、怒鳴りつける市長もいて、どう対処していいか分らないわね」
 「息子が参加した成人式もそこまでじゃないけど、講演者はあきれたり、気分を害したりするし、主催者はその状況にオロオロして、収集がつかなくて、「静粛に!」って、何度か言って、何とか体裁を保ったらしいわよ」
 「そうね。主催者もたいへんね」
 といった話の後、何気なくある受講生が、

 「先生だったらどのようにされますか?」と尋ねますと、さすがの先生もそれには返答に困って、
 「本当にねえ。困ったもんですねぇ」とおっしゃっていました。

 さて、あなたがその先生の立場であったとして、どのように答えたらいいと思いますか。もしくは、あなたが成人式で祝辞か何かを頼まれた時に、おしゃべりを止めようとしないグループがいた場合、どのように注意しますか? 難しい問題ですが、考える練習として、あなたなりのやり方を具体的に示してみてください。「注意する」というだけでも結構ですが、できればもう少し膨らませてみてください。
 解答例は次のページです。じっくりと考えてみてください。